オモチャ、遊び、仕事

や~い、楽しいオモチャが手に入ったぞ。開けばごらんの通り、
フルキーボードが出てくるのだが、閉じればこんな小さなサイズ。



都会では営業マンを中心に、今、大ヒット中の商品だそうだが、ぼくにとっても貴重な
ツール。
いつでも、どこでも、思いついた言葉をすぐにメモしておいて、後でパソコンに保存する。
今年の大きな問題の一つ「執筆時間をどこでひねりだすか」が、かなり改善できる。
時間との勝負がやりやすくなるのだ。各種の会議がこれで又楽しくなる。
オモチャで楽しく遊んでそれが仕事になるなんて。
オモチャと言えば、EM、農機具、農業技術書、車、パソコン、デジカメ、最近ではIフォン
も手に入れたぞ。これらはみ~んな、ぼくのオモチャ。それらを駆使して、農作業、
がっこう運営、技術指導とお勉強、マーケティング、会議、などなどをこなしていくと、
まるで遊んでいるように楽しい。それが結果的に仕事になっている。そして、
とうとう、超かんたん無農薬有機農業ムービー編Vol1「これでどうじゃ!」
が出来た。これは、1月25日発売。
さて、さて。もう半年ぐらい更新をしていなかったので、昨年の後半を少しふり帰ってみよう。

 

まず、9月、カボチャの収穫(栗味なんきん



そして、就農十周年を迎えた。





援農隊や、研修生達が祝ってくれて、いつものように大宴会となったのだが、

翌日は、さっそっく援農隊をこき使って、白菜の定植。



10月には、島根に出張。その足を利用して前日は休暇。
松江の蕎麦屋「八雲庵」で、鴨南蛮をみどりと。





出雲大社にも足をのばした。
そこで面白いものを発見。



よく見て頂きたい。眉、目、鼻、口、輪郭。みどりはえびすさんにそっくりなのだ。
ネットで調べてみると、えびすさんは七福神の一柱で漁業の神様だった。
どおりで、「海が恋しい、海が恋しい」とよく言っている。でも、きれいな海を取り戻し、
漁業が復活するためには、ぼくらの活動はとても大切なことだよね。がんばろうぜ。

 

さてさて11月、畑は秋冬作















この畑は、今年6月ソラマメの収穫が終えた後、その生育期間の8ヶ月、
敷き詰めて劣化したモミガラマルチを浅く耕耘して、畑まるごとモミガラ
堆肥化したところに、定植したものである。その定植の時にまたまた、分厚く
モミガラマルチを敷き詰めている。これを永遠に繰り返していけば、何時までも
良い土で、作物が出来るというわけだ。



春先に茅を軽トラ5台分ぐらいカッターで粉砕し、土と浅く混ぜ、3ヶ月熟成させ
まるごと堆肥化した畑。連作ではあるが、昨年より出来が良くなっている。



この畑は、過去2年間、無施肥でダイコン、ニンジンを作ってきたが、今年はは種時期が遅れたため、チッソ成分量で5kgほどの水溶性のアミノ酸肥料を追肥のかたちで使った。



さてさて、万次郎カボチャ。この畑は前年、ナスを作っていたのだが、それに敷き詰めた
大量の茅マルチが今作の土造りの元となり、非常に物理性の良い土になった。
結果、この万次郎は一株に200個の実をつけ、5株植えたから、1000個の収量となった。
しかし、10月以降に受粉したものは、霜が降りるまで、完熟しなかったので、味の良い
秀品の収量は6~7掛けと言うところか。それにしても、「万次郎、上手に作れば百個なる」
という、苗屋の話は本当だった。
で、これらの秋冬野菜は、いつもの出荷以外に、高島屋のお歳暮セット、と、日本コカコーラの景品のセットでの出荷が、11月半ばから12月にかけて約1200セットほどあったため、みどりと研修生たちは、これまでにない、最も忙しい一月を過ごした。
ま、商売繁盛で結構な話なのだが、ちょっとおまけが付いた。
みどりが過労で、持病の腰痛が出て、それがまたこれまでにないひどい状態。この2日からは、完全に寝たきり。トイレにも行けない。じゃ、あれはどうしてるか?って。
みどりに「それだけは、絶対書くなよ」と言われているので、書かない。
で、今夜も自分の晩酌は、自分で作る。
メニューは、シラスおろし、イカの塩辛、ウツボのタタキ、カップ焼きそば。
1月4日はぼくの誕生日、セルフサービスの寂しい晩酌と思いきや、援農隊からお見舞いの電話、そして、「ハッピーバースデイ」をみんなで歌ってくれた。
やれ、今年も良い一年になりそうだぞ。
おしまい。

夏野菜だぜ、ベイビィ!

石垣から上、住宅までが寺家の畑、住宅前1,2,3。
手前から、ピーマン、シシトウ、ナス、キュウリ。

では、キュウリから



山下農園の研修生テル。高校生の頃から援農隊の一員だったテルは、大学卒業後、アルバイトでお金を貯め、「土佐自然塾」の一期生として入学。厳しい研修に耐え、さらにその後山下農園で研修を継続。3年目の夏をみっちり経過中。当初は山下農園の山下清と言われていたのだが(ぼくが言っていた)、体はごらんの通り、かなり締まってきて、顔も精悍になってきた。

さて、キュウリ



定植直後にべと病が発生。「ほい来た!」とばかり、秘伝の技で対処。結局ごらんの通り、収穫開始40日を過ぎても葉っぱは、青々。で、その秘伝の技とは、下位節を全く除去せず、実だけを摘除。株間1mの放任栽培。成長点をたくさん残し、株自らの勢いで、べと病に打ち勝つ。ぼくの作り方だと、うどん粉病は元からでないから、べと病、褐班病にさえ対処できれば、後は楽勝。
朝晩2回の収穫。取り遅れたらすぐに太りすぎて商品にならない。



 





で、このナスがなんでぴかぴかかというと、その訳の一つは下の写真。



周りをぐるりとソルゴーで取り囲み、天敵を誘引する、さらに風よけとして、ナスに傷が付くのを防ぐ。
灌水設備が無い畑なので、この酷暑、干ばつの影響で、秀品率が低く、実付きが少ないのがシャクの種。
でも、灌水設備のあるハウスならもう、完璧。



講演の時にいつも写真で見せるハウスは、今年も絶好調。周りに雑草を適度に残せば、農薬を使ってないからこそ、天敵(ハナカメムシ)がウジャウジャ。ナスの害虫、ミナミキイロアザミウマの害は皆無。茅の敷き草をそのまま鋤込む畑まるごと堆肥化で、抜群の物理性が根を健全に育てる。根が健全に育てば、当然地上部も健全に育つ。かくして、難易度の高いナスが、しかも自根(接ぎ木は病害に強いが味がまずい)の苗で、年々(5年連作)できが良くなる。エッヘン!



有機栽培でこういうナス(同じナス科のピーマンやシシトウも含む)を作れば、高知県の園芸農家も経済的に息を吹き返すことが出来る。行政もその技術をしっかり調査して、普及していく体制を早く取るようにと、いつも言っているのだけど、軽く無視されている。「どうして積極的に取り組まないのですか?」高知県農業振興部や園芸連に、みなさん問い合わせてみませんか。昨年秋の農水省の調査では「有機栽培に取り組みたい農家]は50%を超えているのですから、普及体制さえ整えれば、一気に有機農業が振興され、農家の経済性も向上し、消費者の健康も、環境も守られ、極めて有効な地球温暖化対策(これは稿を改めて書きます)にもなる。





収穫しているのが、この4月から山下農園で研修している、仁宮康介。
「コウスケは偉い!」のだ。
なぜかというと、宮崎大学の農学部を卒業後、郷里の島根県で農業高校の臨時教員になり、採用試験に挑戦していたのだが、ある日「現場のことが分からないぼくに、子供達に教える資格があるのか?」と言う疑問にとりつかれた。きまじめな性格のコウスケ(顔は不真面目)にとってこれは辛い。
「理論と知識だけでは、どうにもならない・・・経験が必要だ」
そこで、いったん退職し、まず現場で自ら学ぶことにした。そして、研修先をあれこれ探していて山下農園を見つけた。そのコウスケ。つい最近、採用試験の一時にパスしたのだ。まもなく、二次試験がある。通れば受験生16人の内の1人の合格者になる。狭き門、難関では有るけれど、必ず通る。ぼくは確信を持っている。なぜかと言えば、彼は何をやっても上手くいく持って生まれた運を持っている。なぜそんなことが言えるかと言えば、彼の生き方は、小さな自分(自我)を軽々と投げ捨て、全てに、肯定的、積極的、自立的,、公共的だからだ。
一次試験から帰って来た直後、こんな会話があった。
「(試験)どうだった?」ぼく。
「だめです、まず落ちます」コウスケ、しょんぼり。
「教育委員会に、親戚とか知り合いはいないの?」
「いないんです、それが・・・涙・・・あっ!違います、そうではなくてぇ・・・」
「じゃあ、なんだ?」
「面接の時に、教育界の閉鎖性を指摘して、これじゃあアカン!と一席ぶってしまったのです」
「よっしゃ、よく言うた。それでこそ俺の弟子。大丈夫、絶対通るちや、心配すんな」
「あっ、そっか~」コウスケ、にっこり。その素直さがまたコウスケの魅力。
関係ないけど、ガールフレンドがこれまた超カワイイ。ま、みどりには、負けるけどね。

で、そのみどりがトマトの収穫



苦手のトマト栽培が何とか克服できそうになってきた。品種は「オグリワン」。酸味が適度にあって、味が濃い。青臭くもない。「トマトは野菜だ!」と言いたくなる味。
昔懐かしい味がするのと、青枯れ病に強いと言うことで採用した品種だが、梅雨時にエキ病が発生した。しかし一回の石灰防除で止まった。活着を確認してからは、無灌水。干ばつ猛暑の毎日が続いているが、比較的高いと想像される、地下水を搾り取るように生きている。だから、よけい味が濃い。





 

この後、これらの野菜と、カツオ、タコ、などを使った至福の晩酌タイムが始まるのだが、その中身は明日、追加アップします。それでは、今から、まずお風呂に「どぶん!」
ヤーイ!晩酌(一夜明けて、アップロード)



中身は、カツオ、タコ、タマネギ、トマト、キュウリ、ケッパー、ブルーチーズ。
週刊現代の編集者、京子ちゃんが盛りつけた。何が入っているか、これでは分からない。
小皿に取り分けると、



これに、オリーブオイルと塩を適当にかける。夏の山海の滋味、滋養がビール、ワインと共に五蔵六腑に染みわたると、中枢神経がユラリと弛緩し、手足の末梢神経からは、空気中にその至福のエネルギーが放散していく。美味に凝縮された夏の精気が、体内を浄化しながら通り抜けていくのだ。



トマトの酸味と旨みが細いパスタに微妙、絶妙に絡む。舌に絡む、喉に絡む。それを赤ワインでさらりと流せば口中爽やか、鼻腔は馥郁(ふくいく)、脳裏は晴天。
「や~幸せ」と、美味口福。



栗味カボチャは、煮ても、スープにしても、砂糖はいらない。それほど甘くてホクホクの風味。
汗見川の上流に今年から新しく借りた1反の畑で、約300株がのびのびと育っている。
9月から本格出荷。
かくして、持続可能な美味の循環が、永遠に続く山下農園であった。

山下農園五月晴れ

6月10日(火)曇り
相変わらず、飛ぶような毎日が続く。5月から今日までの山下農園をダイジェストで。

病気なし、アブラムシなし。
「なんで、アブラムシがおらんのや?!」西村和夫先生。
「そりゃ土の力でしょう」ぼく。
「ああ、やっぱりな」と先生、納得。
どうじゃ!この畑は



この畑は、「畑まるごとモミガラ堆肥化」が功を奏し、抜群の物理性を見せている。昨年11月、耕耘、畝たてした土が、未だにホカホカで、突き刺した人差し指がす~っと入っていく。その土に、土壌診断による施肥設計、再度のモミガラマルチと、適度の早生で、畑には小さいけれどハイレベルの小さな自然が再生されている。さらに、8ヶ月、表層に分厚く敷き詰めたモミガラはもう劣化していて、この後、浅く耕耘すれば、さらに畑まるごと堆肥化が進み、次作のための土造りとなる。
「難しいことはよう分からんけんど、食べたら美味しいし、お客さんが喜んでくれるき、あたしゃ、まっこと嬉しーちや」とみどり。





雑草の多い山崎の畑では、マルチ栽培を採用している。マルチ栽培は腐植の消耗が激しく土壌の劣化が激しいのであまり採用しない方がよいのだが、それでは草取りが追いつかない。しかし、雑草が多いので、マルチをはがして少しほっとけば、すぐに大量の雑草が生えそろってくるので、それを鋤込むことによって、土造りはちゃんと出来る。
「難しいことは、よう分からんけんど、食べたら美味しいき、えいがちや」とみどり。







「あれ、虫喰ってないじゃん!」と、自然農法国際研究開発センターの山田研吾先生。
「何言ってんですか、今更(山下さんの畑で)」と、同じく自農センターの榊原健太郎先生。
肥料は米ぬか、溝施肥。もちろん、土壌診断に基づいて苦土やカルシウムを適宜補充している。
有機態窒素が効率的に利いて光合成が順調に進み、炭水化物の合成がタンパク合成に先行すると、繊維や細胞膜がしっかりして、病虫害が出ない。小祝政明先生の理論は、ぼくの畑で見事に再現されている。
「なんか、難しいことはよう分からんけど、今夜はお好み焼き」とみどり。



もう、7、8年も前のことだが、こんなキャベツを近所のスーパーに出荷したら、同業者(農家)から、クレームが付いた。
「これが、無農薬栽培のはずがない、出来るわけがない、ウソ言うな」と言う分けだ。
店員が「どう説明すれば良いのですか」と、ぼくに聞いた。いくら説明しても分かりたくない人にはどう説明しても無理だから「山下マジック」と言うちょきや、と答えておいた。今では、もう、そんなクレームをつける人はいなくなった。



一玉、1.8kgほどのサイズだから、毎日の収穫が大変。





さっと、湯がいて、マヨネーズが一番美味い。





ちょっと葉っぱに隠れて、恥ずかしそうなミニカリフラワー。純白の乙女は楚々としている。
「あたし、みたい?」みどり。
「どこがじゃ!?」



取り遅れると、すぐに汚くなる繊細なミニカリフラワーは直径、10~12cmで収穫。
さて、今夜はこれで、「カリフラワーのポタージュ」を作ってもらおうかな。
まるで、ゴマかなんかを隠し味に使っているような、独特のコクと風味があって、ぼくの大好物。
と言う分けで、一月ぶりの更新がやっと出来ました。おかげさまで山下農園の畑は絶好調です。
山下農園の4人の研修生も、「土佐自然塾」の11人の研修生も、元気でがんばっています。畑の作物同様、チームワークも抜群で、毎日泥まみれになって研修に励んでいます。
これからは、トマトや、ナスなど夏野菜の植え付けも順次進んでいて、その状況も出来るだけ更新するつもりです。つもりですが・・・時間が・・・    でも、時々のぞいてやってくださいね。
では、また。

休暇

4月20日(日) 晴れ
「いつまで、こんな忙しい生活が続くが?」とみどり。
「まあ、あと5年は辛抱せんといかんにや」とぼく。
「あ~、どっか、いきたいちや!」
「ほんなら、三日ばあ東京にい行こうか、墓参りにも行きたいし」
「・・・」みどり。
この「・・・」が何を意味するかと言えば、「もう、仕事がらみ、農業がらみで人と会うがはいややで、二~人だっけで、誰にも会わんと約束してよ」
「よっしゃ、わかった」と言うわけで、東京にやってきた。その初日は「ヒロチェントロ」でディナー。
その前に、墓参り。

 



みどりの父親が眠るのは、上野の寛永寺。
30数年前、初めて会ったとき、この親父は「みどりは、気が強い女やきね、言うこと聞かん時は、喰らわしよ」とげんこつを握って見せた。もちろん「ハイ」と答えて、実行して、とんでもないことになった若き日のことは、拙著「超簡単無農薬有機栽培」にも書いてある。
そして遺言は「男は大きなことを言え」。もちろん、これも実行しているが、今のところなんの問題も起きてない。起きて無いどころか、着々と言った通りになっている。墓前で般若心経を唱え、「言ったことは、必ず実行します」決意を新たにした。
みどりは「お父さん、幸せな毎日を、ありがとう」と、言っているに違いない。

 

さて、やることやって、至福のディナータイム。



山下野菜に混じった青いイチゴが、金目鯛とオリーブオイル、塩とで小さな不意打ちを食らわせてきた。「おっと、こりゃ、美味い、不思議な旨さだ」



フォアグラのディープな官能に、炒った五穀米、さらに、カレー風味のダブルドライで、絶妙のバランスを取ってきた。「上手い!」大島シェフ、やりますね。白ワインがまた合う。



皿も、ナイフも、フォークも、キンキンに冷えていて、手で持ったら、皮膚に張り付くかと思った。



今日は、お任せだけど、これだけはみどりのリクエスト。
「本当は赤ウニを使いたかったんですけど、今日は入らなくて、紫ウニです」と、大島シェフ。
いえいえ、紫ウニのちょっと渋めの海の香りは、赤ワインにとても合います。



黒毛和牛のイチボ肉の、その中のほんの少ししか取れない部位を使ったハンバーグは、つなぎも入れてないのに、脂肪の甘さがねっとりと舌にからみ、むせかえるような香りが鼻腔に抜けた。
熟女のお又の香りを思わせるフルボディの赤ワインとで、官能の世界が口中に広がった。



この後、レモンのパフェと、エスプレッソで、終了。
いや、美味しかった、楽しかった。みどり、ヨカッタね。

 



大島今日シェフのお任せディナーで、みどりは大満足。
昨年は、二度ほど、奥田政行シェフとタッグを組んでもらって、「一夜だけのレストラン」を、土佐の、
田舎で開いたのだけど、今年も予定している。イタリアンの官能と日本料理のシンプルさをコラボレーションして、食べる人に次々と意表をつきながら、自由と開放感を与える、若き二人のシェフに今年もお世話になります。
口福の余韻に浸りながら、銀座をブラブラ歩いて、ホテルに帰って、ハイお休みなさい。
明日は、昼は蕎麦、夜は寿司、あさってはウナギの予定。

春野菜収穫開始

4月21日(月)晴れ時々曇りと、爽やかな春風。
二月に蒔いた春野菜の収穫が始まった。山下農園新入生は、がっこうの新卒業生でもある、千晴(ちはる)。ちはるのお腹には小さな命が宿っていて、相手は同じ2期生の虫オタク、中村直秀。二人は卒業と同時に入籍、同居。夫は大川村で就農準備。妻はさらに技術を磨いていくため山下農園で研修を継続。「二人の未来に幸多かれ」と祈るばかりというのは、表向きのコメント。卒業直前にこの知らせを聞いたぼくは、「おれの知らない間、寮内でこのような不純異性交遊が、軽々しく行われていたとは、実にけしからん」と怒り心頭。「今後、塾生どうしの交際は禁止!」と、高らか宣言したのだが、3期生11人は男ばかり。「や~い、ざまあ、見ろ」(なんのこっちゃ)
話がそれたので、元に戻します。
ぼくが委員になっている、農水省の「全国有機農業推進委員会」が、この2月、東京で開かれたのだが、各委員から「有機農業公園を作ろう」とか、「学校給食に有機野菜を取り入れるため消費者を啓蒙していく必要がある」など、様々な意見が出された。
そこでぼくは、次のような発言をした。
1.マーケットが急速に拡大している
2.流通が整備されていない
3.生産量(有機農家)が少ない(有機農産物の生産量 0.15%)
4.技術情報の不足
5.有機農業に転換したい農家が50%以上(同稲作農家は66% 農水省調べ)
1.の理由は、「安全安心」を指向する消費者の増加のみならず、それにともなう社会的変化、(自給率の向上、医療費の削減、循環型社会の構築、豊かな自然を元にした教育の再生、社会参加型生活による生きがい造り、すなわち福祉など)への、期待の高まりが考えられます。2.の理由は3.。3.の理由は4.。4.が改善されれば、5.の農家の増大と、農家の経済性の再生が見込めます(高知県園芸連の売り上げは、平成4年をピークに現在6割ほどに落ち込んでいるが、有機農産物は市場性が高い)。
「以上のことから、既存の農家への技術情報の提供が、急務であると考えます。そのためには、行政の普及体制の確立が急務。その技術はぼくに有りますから、いつでも提供します」と。
農水側の代表でもある、佐々木昭博大臣官房審議官は、最後の締めくくりとして、なんと「技術の普及と、人材育成」を最優先事項としてあげたのだ。
これをふまえ、尾崎高知県知事には、県の技術職員を山下農園で研修させるよう謹んで申し上げている。「徹底的に現場で鍛えてあげます」と。
高知県には、有機農業を教える技術職員が一人もいないことは、県の担当職員もあっさりと認めていること。さあ、農業をめぐる状況が急激に変化しているこの時期、高知県農業振興部はどうでるか。

では、今収穫が始まったばかりの山下農園から、ほんの一例をお見せしましょう。













 

このブログは、まだ仕上がってはないのだけど、もう、晩酌タイムが来たので、続きはあした、アップします。
で、日付が変わって、その続き。
上記の委員会の委員でもあり、全国農協中央会の常務でもある、前島さんがつい先日視察に見えた。このハウスや、絶好調のソラマメ畑、春ダイコン、スナックエンドウの畑、土佐自然塾の畑、いつものパワーポイントを使った、プレゼンも見てもらった。
ここに来るきっかけは、先の委員会で「ぼくには技術があります」と言いきったこと、その他の委員の先生方は、なんか怖そうだったこと。ぼくは優しそうに見えたこと、などを理由としてあげ、しかし、全中の仲間からは、「山下に洗脳されるなよ!」と言われて来たとも明かした。
いやいや、なかなか、ストレートでいいですね、こういう人は好きだな。ストレートと言えば、委員会が終わった後、たまたま隣に座っていたので、名刺交換したのだけど、そのときに呟いた言葉が、今の農協の立場を表していて、とても印象的だったな。
「俺たち(農協)って、こういう席(有機農業関係)に来るといつも悪者なんだよな・・・」って。
そんなことは有りません、今までだって、農家のために良かれと思って、一生懸命やってきたのですから。これからも、農家のために「では、どうすればよいのか?」悪いところは改めて、どんどん改革していけば良いのです。
いよいよ、農協としても有機農業を無視できなくなってきた。さて、どうするか?まずは、現場の情報収集。ということでぼくの畑にやってきた訳だが、立派に育った、慣行農法と見た目も、収量も遜色ない、いやそれ以上のぼくの畑を見て、話を聞いて「う~ん、う~ん?いや参ったな」とすっかり洗脳されて帰って行った。
その、前島さんから手紙が届いた。
私信なので、詳細は省くが。「まさに百聞は一見にしかず、大変驚いた・・・」とあり、有機農業の推進普及には、これから様々な情報を整理していく必要があるとも書いてあった。
さて、全国農協中央会。この先どう出るか?
最後にお知らせ
パナソニックスペシャル TBSテレビ
アースフロンティア
「未来を救う 地球教室」
4月21日(月)21時ー23時
と言う番組に、ぼくがちょろりと出ます。
どうぞ、お見逃し無く。

配達日和

2月30日(金) 晴れ、時々春の穏やかな風
よっしゃー、今日も行くぞ(どこへ?)、配達に決まってます。
まだ、腰が痛い、慢性化しつつある。でも、そんなこと言ってられない。

 



この子がぼくの好みなんだな。顔はごらんの通りの超美人さん。スタイルも抜群で、このままモデルにもなれそうなぐらい。でも、この子の親父がぼくの同級生なんだな。だから、どうしたのか?って。だからどうもしないと言っているじゃないですか。ぷん、ぷん。となりのみどり、コラ、じゃま、じゃま!。
あ、取り乱してしまった。みさなん、どうもすいません、つい興奮してしまって・・・
で、ここは、しゃれた小物や食器、衣類など、まち子ちゃんの母親でもあるオーナー、紀(のり)さんが、作家の才能にこだわった逸品を並べている。つまり、ここに並んでいるのは、才能ある作家達の素顔の一断面でもある。

 



で、ここに並んでいる作品の一部を紹介すると。





どうだ、このセンス。この作品の作家は、ぼくの2号であり、土佐自然塾の寮母であり、みどりの妹であり、白痴5姉妹の3女でもある、かずよちゃんなのだ。彼女は、料理の達人でもあるので、寮生達は、有機野菜をふんだんに使った、グルメを常食している。そのあたりの状況は、いずれまた。
よし、では、腹ごしらえして、午後の配達。

 



鶏ガラでとった(であろう)澄んだスープを一口飲んで、「ふ~っ」とため息をつくと、怒濤のように流れる毎日の時間が、突然ぽっきりと切り取られ、つかの間のオアシスが出現する。さあ、オアシスの中で喰うぞ。香り、味、こく、うま味、ともにバランス良く秀逸なスープが麺とからみ、とろけるチャーシュー、しゃきしゃきキメンマ、あ~、幸せの15分があっという間に過ぎて、さて、配達の続き。

 



パレスホテルは、ぼくの野菜を使ったフランス料理を出している。
3月2日(日)には、このホテルのレストランで「名シェフ名料理」と題した料理会が開かれる。「アピシウス」の料理長、小林定(さだむ)シェフが腕をふるう。ランチはワイン付きで15,000円。ディナーは同20,000円。このディナーにぼくたち二人は招かれている。さて、どんな料理か、楽しみだな。

 



生鮮野菜の他には、山下野菜のペペロンチーノや、カブのスープも売っている。このスープのレシピはあの、有名な辰巳芳子さん。パレスホテルの田中シェフが鎌倉になんども足を運んで、その極意を学んできたもの。ぼくの野菜を使った「命のスープ」でもある。今は、カブだが、これからはカボチャ、ニンジン、ブロッコリー、カリフラワーなど、などがラインナップされている。乞うご期待。

さて、みどりは配達の続き。ぼくは、喫茶店に居座って、土壌診断ソフトに入力作業。今日の書斎は、
県庁前のCafe「かぜり」。書き物には、とても落ち着くすてきな空間。



ジャパンバイオファームの小祝政明さんが作った、土壌診断ソフト。このソフトに診断結果を入力していくと、勝手に塩基バランスをとって、必要な肥料とその量がぱっと出てくる。とても、便利なツールだが、すべてソフト任せにできないところが、農業の難しいところ。まず、入力するデータ、土壌診断そのものの、精度が問題になる。「あれ?どうして?どうしてこんな数字になるの?」と言うこともあるので、最終的には、やはり、農家の総合的な判断が必要になる。現場の土や作物から得られた感覚的な情報も加味して施肥量を最終判断する。どんなに便利はツールも、使いこなす当人の能力が必要。
「う~ん?」と考えながら、全部で15検体のデータを打ち込んだ。途中、長野のスイカ農家で、研究者でもある土肥さんや、小祝政明さんに電話でアドバイスもいただきながら、ぼくの頭の中は、春以降の山下農園の風景で一杯になった。

午後7時。配達の終わったみどりと合流。娘や孫達を誘って、ソバ屋「福の杜」で晩飯。



焼きそばみそ、みがきニシンの甘露煮をつまみに熱燗4合。孫達は、それぞれ天ぷらそば、ざるそば、ニシンそば、鴨南蛮そば、そばの豆腐あんかけ、そばクレープ。
や~、今夜もしあわせだな~、ね、のんちゃん。



じいちゃんは、すっかり酔っぱらってしまいました。

みどりの誕生日

2月15日(金)晴れ
高知市内で、打ち合わせと会議。そして誕生会。
合間に、書類作成や原稿書き。家にいなくても椅子と机があれば、どこでも書斎になる。今日の書斎はジャス喫茶「木馬」。高校の頃はこの二階で仲間とたむろしていた。その後はライブ演奏。もうドラムは叩いてないが、なんだかんだと、この店にはかれこれ40年通った。
昼食は丸福。

 



懐かしい、東京タンメンの味。黙って座れば、茹でる直前に麺を揉んで縮れ麺にしてくれる。

 



慌てて食べると、熱い汁が飛び出てきて、口の中を火傷するほど、ジュージー。
その後、さらに原稿を書いて、午後3時に、高知新聞編集局長と、新しい会議を立ち上げるための打ち合わせ。午後4時から「ハート&ハート」で、439有機協議会。7時に終了。配達を終え、ついでに散髪も終えたみどりと合流。天野さんに祝ってもらって、イタリア料理の名店「マンマ、イタリアーノ」で誕生会。薪の窯で焼いたピザの美味いこと。普段、牛肉なんて美味いと思ったこと無いのに、この窯で塩とコショウでサッと炙った牛肉が、これまた美味いのなんの、パスタも秀逸。

 



いやしかし、みどりも62才になった。
若い頃は、「50才を過ぎた自分なんて、想像もできん」なんて、言っていたけど、なんの、なんの、「もう、死ぬまで死なん」と、今や、無芸大食、丈夫で長持ち、元気で長生き、とすっかり開き直っている。その昔、胸の谷間とミニスカートからのぞく太もも、きゅっと締まった足首、エキゾチックな顔立ちに、一目惚れしたあのみどりが、変われば変わるもの。今では自らの体重で腰痛を起こせば、ヒステリーもおこす。それを言うと、「ヒステリーをおこさん女性なんて、どこにおる?おったら見てみたい」と開き直る始末。さらには、三段腹をふくらませ、それを両手でぐっと真ん中に寄せ集め「ほら、新高梨」と孫を笑わせる、芸達者な熟女に変身したのである。
「愛とは育てるもの」が、ぼくの持論なんだけど、「騙すもの」かもしれない。
「それは、こっちのセリフ、あたしがあんたになんぼ騙されたか」と、みどり。
はいはい「騙し、騙されつ、愛は育てていくものなんですね」

日々是好日

2月14日(木) 晴れ 時々冷たい風
毎週木曜日には、南国市から魚屋がやってくる。場所は本山町、四季菜館前。
こんな山の中にいても、新鮮取れとれの魚が買えるのが嬉しい。このおっさんは、かなり強引に押し売りするのだが、やりとりが面白い。「そりゃ、高い、もうちょっとまけときや」。
「よっしゃ、まけちゃお」と単純明快。土佐の男どうしは、ねちねち、駆け引きはしない、なんでもスパッと決める。今日の買い物は、土佐沖取れのブリかまと、瀬戸内産の真イカ。

 



がっこうでは、ほんわかと木のぬくもりの中で、講義中。
そ~っと、後ろから入っていって、受講中のあつこの後ろからカメラを向けた。
「あつこ、はい、こっち向いて」とささやいたら、はい、このとおり。
後方は、マーケティングを講義中の山下修理事長。

 



どうだ、このサービス精神。ぼくの教えをきちんと守っている。技術はアートだが、マーケティングの神髄は、おもてなし、お接待、エンターテイメント、これにつきる。

 



高須のハウスで種まき。今日まいたのは、ほうれん草、小松菜、水菜、てごろ菜(白菜と小松菜の合いの子)、中蕪。収穫は、4月頃。
ぼくがまくのは、野菜だけではない。次代を背負う突撃隊員、命をつなぐ駅伝ランナーの種もまく。もちろん、まいた種はきちんと育てる。どう育てるのか。それは、やってみせるしかない。だから、ぼくも毎日突撃している。
午後からは、がっこうの協議会。地元の行政や、県の職員、農協の職員で構成されているメンバーが、がっこう運営が抱える様々な課題をだしあい、具体的な対策を協議する。
卒業生の進路。農地や家の確保。マーケットの拡大、獲得情報。一期生の就農状況や、それに対する支援策、などなど。
協議会を終え、再度、種まきに山にあがり、山下農園の研修生に指示を与え、夕方犬の散歩。日没で終礼。いただいたチョコレートをかじりながら、コーヒータイム。

 



塾生のちはる、二号のかずよ、宴脳隊のさちこ、かずみからチョコレートが届いた。ぼくは甘辛両党で、とくにチョコにはめがない。で、話は飛んで、みどりとさちこ、かずみはいつの頃からか、「白痴三姉妹」と呼ばれているのだが、三人ともその愛称をとても喜んでいる(だから白痴)。
その三人に、この四月から山下農園に入る、ちはるが加わったら「白痴四姉妹」となるのだが、さて、ちはるはその愛称を心から喜べるかな。そうだ、この際、二号のかずよも加わって「白痴五姉妹」としようか。

 



 



 



 



 

では、いつもの晩酌タイム。
ブリかま塩焼き、ねっとり真イカの刺身。自家製有機野菜のアラカルト。
海の幸と山の幸と三合の酒。あ~、毎日幸せだな

本物の天才と自称天才

2月9日(土)朝のうち雪、後雨、夕方晴れ。
ニューヨーク在住で世界的なアーティスト荒川修作さんにお会いした。
最近ぼくが仲良くしてもらっている本間桃世ちゃんは、彼のマネージャーであり、東京事務所の代表でもあるのだが、その彼女に「今度高知に行くから、会ってみない」といわれて、この日の会談が実現した。会談といっても、ほとんど荒川さんがしゃべりっぱなしで、ぼくは聞くばかり。前日には、フィギュアで有名な「海洋堂」の宮脇さんと対談している(近々、高知新聞にその記事が載る予定)。高知に何をしに来たのか。「velocity」という雑誌に、掲載された記事「ARAKAWAからの手紙」から、一部抜粋すると、
・・・私たちが30年以上取り組んできた「天命反転都市」とは、その街に普通に生活するだけで、身体のあらゆる細胞や筋肉の活性化が始まり、共同の免疫力や新しい感覚が出現し、健康になり、長寿になるのです・・・
で、その街を高知のどこかに作る、と、もう決めている。天才親分が、そう決めちゃったから、一の子分の桃ちゃんは、何度も来高して、その場所やスポンサーを探す実務を担当している。桃世ちゃんのお母さんは食文化研究家として有名な本間千枝子さん。その千枝子さんから「高知にはすごい男がいて、まるでサムライのよう、是非会ってみなさい」といわれたそうである。「やあ、あなたでしたか」と、ぼくと握手をするなり、怒濤のようにしゃべり始めた。一時間余、ほとんどぼくは聞くばかりだったけど、いや、面白かった。
言葉から言葉へ、直感で語り継いでいくその躍動感とダイナミズムは「この先どこへ行くのか」、まさにアートだった。「この国にまともな政治家はいないのか」小泉さんや福田さんをこき下ろし、返す刀でブッシュをやくざ呼ばわり。しかし口元は笑っている。とぼけたふりして「怒り」を「愛」という作品に仕上げているのだ。目は、狂気の一歩手前でしっかり立ち止まっている。たまにぼくの目を見るとき以外は、まるで、へのへのもへじの顔が宇宙をさまよっているようにも見えたが、紛れもなく「世界を見ている」目だった。
「高知から、これからのあるべき正しい世の中の姿を、世界に向けて、情報発信するのだ」
あれ?どこかで、聞いたようなせりふだぞ。
ともあれ、自称天才のぼくは、本物の天才にお会いして、何度も笑い、ほんわりと解放され、自由を感じ、元気が出た。いや、すごい人に会ってしまった。思い出しても腹が揺れる。
「農業を始めて9年間、ず~っと火の車の中で生きてきましたから、体の芯まで燃えてます、熱いですよぼくは」と言ったら、「あっ、面白い、面白いよ~、それ~」だって。

 



「その街では、農業はすべて有機栽培でやりますからね、あなたが作ってくれますね」
もちろんですとも。

朝日放送「ムーブ」

2月7日(木)朝のうち雪、その後晴れ、時々曇り。
朝日放送「ムーブ」の取材。
今日の取材を知らせた大阪の友達から以下のようなメールが入った。
「ムーブ」は、いま乗っている報道番組として有名です。
私が見るような時間に放映していないので分かりませんが、ここから全国区に行った
報道(ニュース)も多いと聞きます。結構過激な報道もしているようで、タブーに挑戦といった
ところでしょうか。
痴呆、いや元へ。「地方からの国づくり」とか「農薬ばらまき農業への挑戦」
「石油づけ農業よ、くたばれ」みたいな過激な話(一穂さんがするとして)に、
スタジオのコメンテーターがどう評するのか、楽しみですね。
でも、乗せられて過激な発言をしたら、そのまま放映されるという覚悟が必要です。
分かりました。しっかりそのことを頭に入れて取材をうけます。でもね、ぼくの口ですからね。さてどうなることやら。
で、冒頭の写真。これはぼくの講義風景。タイトルは「環境破壊の公式と保存の公式」。
「今、ぼくらが立ち上がれば、2037年には、再生が破壊に追いつく」
「次の世代が中継地点で待っている、彼らにバトンを渡すために、ぼくらは走り続けているのだ。時々、立ち止まったり、道草食ってもいいから、とにかく人生最後の日まで走り続けよう・・・」といつものようにアジってしまった。でも、この言葉に、一番前に座っていた塾生の中村さんの瞳孔が一瞬開いたまま止まった、ように見えたけど、ただぼけてただけかも。他の塾生も、なにか感じてくれたかな。
その後、土壌診断、大根の播種、ハウスでシュンギクの間引き収穫と草取り、袋詰めなどを撮影。途中、ハウスで、インタビュー。みどりは休養。少しは良くなってきたのだがまだ痛みは残っている。明日は、配達風景も撮影予定だから、無理はしないほうが良いのだけど、今夜の至福の晩酌タイムも撮影することになっているから、夕方少し袋詰めをやって晩酌の用意。

 



さて、至福の晩酌タイム。
「酒なくして、何の人生ぞ、朝起きたときから、晩酌が楽しみの
一日が始まる。そして一日走り抜けて、やれやれ、と晩酌で終わる」
「毎日、楽しいですか?」ディレクター。
「もちろんです」ぼく。
「なんで、そんなに楽しいのですか?」
「楽やからね」
「なんで、楽なんですか?」
「理想と現実、言ってることとやってること、本音と建て前、それらがつながっていて、自己矛盾がないから」
「山下さんの人生の目的は何ですか?」
「人生最後の日にね、うちの亭主が一番かっこいい、と女房に言わしめることやね」
「えっ、今かっこいい、と言ってくれないんですか?」
「あきまへん、さっぱり、わやですわ」
2月20日(水)午後4時45分から5時ぐらいまで。近畿地区、2府4県で放送される。